洋楽は、リズムとメロディに乗せて英語の基本を定着させる最高の教材です。本記事では、中学英語の文法・語彙だけで大筋がわかる聞き取りやすい15曲を厳選。歌詞全文は使わず、一部引用と解説、覚えたい英語フレーズを紹介します。楽しく・挫折せずに続けられる選曲で、今日から英語耳づくりを始めましょう。
中学英語だけで理解できる曲の選び方
ポイントは「テンポ」「発音の明瞭さ」「文の長さ」「繰り返し」です。まず、テンポがゆっくり〜中速の曲を選ぶと一音一音が聞き取りやすく、音の省略(リエゾン)が少なく感じます。次に、主語+動詞(S+V)や現在形・過去形など中学範囲の構文が中心で、1文が短い歌詞だと意味が追いやすいです。
さらに、サビでの同一フレーズの繰り返しが多い曲は、自然に口が動くまで定着します。加えて、日常会話にそのまま使える感情・依頼・提案の表現(例:Can you…? / I want to … / I’m …)が多い歌を選ぶと、学んだその日から会話で活かせます。
最後に、あなたが好きと思える曲であること。「好き」は最強の続ける力です。
学習手順:一部引用→意味→音読→フレーズ化
おすすめは次の4ステップです。
- 曲を一度通して聴き、気になったサビの短文を一部引用で抜き出します。
- 中学英語の文法で意味をとる(例:現在形・過去形・助動詞 can / will・命令文・There is/are)。
- 音に合わせてオーバーラッピング(同時発声)→慣れたらシャドーイング(少し遅れて発声)。
- 覚えたい一文を自分事のフレーズに変換して日記やトークで使います。たとえば “You can count on me.” を “You can count on me anytime.” のように具体化。
「聴く」だけで終わらせず、必ず「声」を出すことが上達の決め手です。
中学英語だけでわかる!簡単洋楽15曲
以下の15曲は、以前の記事「英語初心者におすすめの洋楽20選」で挙げた曲とは重ならない別ラインナップです。
いずれも中学英語レベルの語彙・文法で大意がつかめるうえ、サビに短い反復フレーズがあり、リスニングと発音練習に最適。各セクションには、短い一部引用(10語以内)と学習ポイントをまとめています。
1. Oasis「Wonderwall」
ミディアムテンポで語数が多すぎず、日常語彙中心。サビの一部「You’re gonna be the one」のように省略形(going to → gonna)が耳で覚えられるのがポイントです。文法は現在形・進行形・助動詞 will が中心で、中学英語の範囲で構造を追えるため、歌全体のイメージ把握が容易。前置詞の反復(by, about, to)が多く、チャンクで聞く練習に適します。歌詞の比喩はあるものの、キーワードが繰り返されるので、聞くたびに理解が深まり、「音→意味」のリンク作りに最適です。
2. Plain White T’s「Hey There Delilah」
アコースティックでゆったり、主語+動詞の基本形が明瞭。会話調の現在形が多く、未来を表す will / going to も素直に登場します。サビの一部「I’m right there if you get lonely」は条件 if と語順がシンプルで、中学英文法の復習曲としても秀逸。単語も易しく、発音がクリアなのでオーバーラップ(同時発声)の導入に最適。ストーリーを追いやすく、英語で情景を思い浮かべる練習に役立ちます。
3. Train「Hey, Soul Sister」
速すぎないアップテンポ。サビの反復が多く、「Hey, soul sister」のような短い呼びかけ表現を自然に定着できます。現在形・命令形・前置詞句中心で、中学英語で意味の核を掴める構成。韻を踏む語(missed ya / mister / sister)が多数で、英語のリズム感を身につけるのに好適。単語が聞き取りきれなくても、サビの繰り返しで全体像を保持でき、「わかるところから口を動かす」練習に向きます。
4. Colbie Caillat「Bubbly」
母音を伸ばす歌い方で、単語の境目が明瞭。サビには「It starts in my toes」のような現在形の平叙文が反復され、be 動詞/一般動詞の感覚をキープしやすい曲です。語彙は身近な身体・感情語が中心で、中学レベルの形容詞・前置詞で情景がつかめます。テンポが穏やかなので、子音末の発音(t, d, s)の意識づけにも◎。耳と口を同時に鍛えられます。
5. Katy Perry「Roar」
力強いメッセージでも文法はシンプル。サビの一部「I got the eye of the tiger」のように過去形 got の口語的用法が体感できます。命令形・現在形・比較的短い文が多く、語順の基本を保ったままノリよく練習可能。繰り返しとライミングが強いので、記憶に貼り付く反復が自然に起こり、モチベ維持にもおすすめです。
6. The Lumineers「Ho Hey」
極端に短いセンテンスが主体。「I belong with you」のような主語+動詞+前置詞句の基本形を、コール&レスポンスで繰り返します。語数が少なく休符が多いので、シャドーイングの間合いをつかみやすいのが利点。語彙も易しく、中学英語だけでほぼ全編の大意が取れる代表格です。
7. Vance Joy「Riptide」
語り口だが、文は短く現在形ベース。サビの反復「I love you when you’re singing that song」はwhen 節の基本と進行形の感覚が掴みやすい構造です。固有名詞は出るものの、意味の核は日常語で成立。一定のストロークでリズムが取りやすく、アクセントの置き所の練習にも向きます。
8. James Blunt「You’re Beautiful」
テンポが緩やかで母音重心の発声。「You’re beautiful」のbe 動詞+形容詞というド基本が繰り返され、音と語順が直結します。過去形・現在形・前置詞 at/in の使い分けも穏やかに登場し、中学英語の復習曲として最適。子音連結が少なく、音節意識を保って歌いやすいのも魅力です。
9. Bob Marley「Three Little Birds」
レゲエのゆったりグルーヴで、現在形・命令形が中心。「Don’t worry about a thing」の否定命令や、前置詞 aboutのコアイメージが感覚で入ります。語彙は超日常的で繰り返しが多く、「簡単に口が動く」を実感しやすい名曲。リラックスして発音練習ができます。
10. Cyndi Lauper「True Colors」
ゆるやかなメロディに短文主体の歌詞。「I see your true colors」など、現在形の知覚動詞+目的語の型が繰り返され、語順の安定に効果的。形容詞の配置や所有格の使い方も素直で、中学語彙で情緒表現を学べます。発音も明瞭で、ロングトーンでの母音コントロール練習にも◎。
11. The Police「Every Breath You Take」
テンポは一定、構文は現在形反復。「Every breath you take」の関係節省略の語順(you take が後置)が耳で理解できます。前置詞句(every step you take / every vow you break)の並列が続き、チャンクで捉える訓練に向く一曲。語彙が平易で、聞き取りの成功体験を積みやすいです。
12. Westlife「My Love」
バラードで音価が長く、be 動詞・一般動詞の区別を意識しやすい。「Where the skies are blue」など関係・従属節も短く、中学文法で十分に理解可能。サビは反復が多く、語尾まで丁寧に発音する練習ができます。単語がやさしいため、初心者の自己表現フレーズの素材にも最適。
13. Avril Lavigne「Complicated」
軽快でも語彙は平易。「Why’d you have to go and make things so complicated?」のようにwhy+疑問文の形や、動詞 make の使役の感覚がとれます。口語省略(Why did → Why’d)も学べ、実用会話への橋渡しとして優秀。語数の多い部分もサビの反復で補え、部分理解→全体理解を実感できます。
14. Christina Aguilera「Beautiful」
ゆったりした拍で発音が明確。「You are beautiful」のbe 動詞+形容詞がコアにあり、シンプルな語順で反復。否定文や強調も中学英語で説明可能な範囲に収まり、自己肯定を英語で言う練習に最適。ロングトーンで母音を伸ばし、英語のリズムと抑揚を体得できます。
15. Maroon 5「Sugar」
アップテンポでもサビは短文反復が主体。「I need your love」など、主語+動詞+目的語の直球パターンが並びます。現在形・命令形が中心で、中学英語の骨格をキープしたまま口が回る構成。語尾の子音(d, v, z)の発音練習にも向き、ノリよく声を出す習慣化にぴったりです。
まとめ
以上の15曲は、すべて中学英語の範囲で大意を掴みやすいうえ、サビに短い反復フレーズがあるため、オーバーラッピング→シャドーイングの練習素材として優秀です。
各曲で「気に入った一文」をメモし、毎日30秒でも声に出す——この超短時間反復が積み上がると、聞き取りと発話の両方が一気に楽になります。